第8章:準決勝の激闘と未来への一手

ベスト8を勝ち上がり、準決勝に進出した4人の棋士
藤倉真星(ヤマト国)
チェン・ハオ(シャンル国)
マーク・エリオット(セリア国)
フィリップ・カロッジ(カリスタ公国)

ラグナ杯もいよいよ佳境を迎え、世界中の囲碁ファンが注目する中、熱い戦いが繰り広げられた。また、ラグナ共和国の歴史と深く関わる「海賊船と石の碁盤」の謎が新たな話題を呼び、大会の興奮をさらに高めていた。

準決勝1
藤倉真星(ヤマト国)vs チェン・ハオ(シャンル国)

試合が始まると、チェン・ハオは序盤から革新的な布石で盤面を広く支配しようとした。その一手一手はAIの分析を取り入れた独創的な戦法であり、藤倉にプレッシャーを与えた。

リポーターの川上和也が解説する。
「チェン選手、序盤から攻めていますね。藤倉選手に主導権を渡さないように工夫しているのが分かります。」

一方で、真星は焦らず、冷静に地道な守りを展開。中盤に差し掛かる頃には、チェンの隙を見逃さず、巧妙なカウンターを仕掛けた。

観客席からざわめきが起こり、SNSでも「真星の読みが冴えている!」「チェンの独創性をどう崩すのか?」といった声が飛び交った。

最終盤、藤倉は持ち前の冷静さを発揮し、そのまま着実にヨセて勝利を収めた。

試合後のコメント:藤倉真星
「チェン選手の攻撃は非常に鋭く、対応に苦労しました。最後まで気が抜けない試合でしたが、この経験を次に活かしたいと思います。」
チェン・ハオ
「藤倉選手の冷静な判断と正確な手にかないませんでした。次はもっと成長した姿を見せたいと思います。」

準決勝2
マーク・エリオット(セリア国)vs フィリップ・カロッジ(カリスタ公国)

もう一つの準決勝は、セリア国の王者マーク・エリオットと、天才棋士フィリップ・カロッジの対戦だった。マークは序盤から優位に立ち、フィリップに付け入る隙を与えなかった。

川上和也が解説する。
「マーク選手の序盤は完璧ですね。一切の無駄がない打ち回しです。」

フィリップは独自の感覚的な一手で応戦し、中盤には形勢を盛り返す場面もあったが、マークの冷静な判断力が勝敗を分けた。終盤に至るまでフィリップの反撃は続いたものの、マークが着実にポイントを重ねて勝利を収めた。

試合後のコメント:マーク・エリオット
「フィリップ選手の感覚的な一手に驚かされました。自分のペースを守ることができたのが勝因です。」
フィリップ・カロッジ
「マーク選手の戦略は本当に素晴らしく、学ぶことが多い試合でした。次の挑戦ではもっと強くなります。」

石の碁盤と局面図の謎

ラグナ共和国には、「白石の浜」と呼ばれる特別な場所がある。その浜辺には囲碁の白石に似た丸い白い石が無数に散らばり、近くには「石の碁盤」と呼ばれる大きな石が古くから存在している。この石には、精密に彫り込まれた碁盤のマス目があり、地元の伝承では「先祖が遺した知恵の証」と語り継がれてきた。

15年前、この石の碁盤を調査した学者たちは、ある驚くべき発見をした。碁盤のマス目に碁石が描かれていて対局場面がわかった。それが海賊船の沈没場所を示す暗号である可能性が浮かび上がったのだ。その情報をもとに、ラグナ共和国の沖合での調査が行われ、見事に沈没船が発見された。船内からは財宝や古代の道具が見つかり、ラグナ共和国の歴史を大きく塗り替える結果となった。

一方、ヤマト国にも「碁石海岸」と呼ばれる黒石で覆われた美しい浜辺が存在する。この海岸には、ラグナの白石の浜と対を成すかのように、「石の碁盤」が見つかっている。しかし、15年前に同じように調査が行われた際、その碁盤のマス目には特に意味のある模様や暗号は発見されなかった。地元の伝説では「まだその役割を果たしていない碁盤」として語り継がれており、現在もその謎は解明されていない。

セリア国、シャンル国、カリスタ公国でも「石の碁盤」探しが行われた。しかし何も発見されなかった。今も各国の研究者たちが独自の視点で分析を進めている。

決勝進出者の発表

準決勝の結果、以下の2名が決勝戦へ進出することが決定した。
藤倉真星(ヤマト国)
マーク・エリオット(セリア国)

SNSでも決勝戦と石の碁盤にまつわる謎が交錯し、大会は新たな興奮を迎えている。